キネマ旬報 2015年12月上旬号(キネマ旬報社 ¥850(税抜))
「『の・ようなもの のようなもの』 森田芳光監督の「の・ようなもの」の35年目を皆でこぞって作り上げた杉山泰一監督デビュー作」(「読む、映画」)...翻って「の・ようなもの のようなもの」を見た時、人間像への熟した理性のある捉え方が、随分大人の人なんだと感心した。渋谷円山町で育ち、見聞きした業者衆や、落語や、浅草、向島。それら記憶の中に埋もれていたものを20代への決別として三十男の「最後の履歴書」として凝縮した「の・ようなもの」。そして夜明けまでの旅路、怪物のような荒川鉄橋...