ヤング・ギター 1977年12月号(シンコーミュージック ¥450)
「君のこと好きなんだ」レビュー(まりこ)かつてバイブレーションのかかった切ない声で「赤色エレジー」や「電気ブラン」を歌ったあがた森魚には、大正デカダンス時代のロマンに執着した不思議な世界があった。その後映画を作ったりしてしばらく空白があった後の久々のこのアルバム、名前をカタカナに変え、アレンジは矢野誠、キーボードが矢野顕子ときて、少なからず大変身を想像したんだけれど、やっぱり彼の愛着は以前と変わらないようだ。めめしさも相変わらず健在。砂糖菓子のようにもろく切ないラヴ・ソングが、時としてモダンなバックとすれ違ったりチグハグになったりしながら奇妙にミックスされている。A1は早川義夫の名作、A3はハマクラ大先生のナツメロで、めめしさソングの筆頭!です。(まりこ)