週刊セブンティーン 1972年5月23日号(集英社 ¥100)
「あがた森魚 涙の味がする吟遊詩人」(特集「フォークのアイドルたち」)なんとなく古いようでスゴクあたらしいサウンドのあがた森魚(もりお)の「赤色エレジー」には、不思議な演歌のしらべがある。フォーク・シンガーのなかで、彼ほどおとなしく、それでいて印象の深い人もめずらしい。あがた森魚の最大の魅力は、童児のようにやさしさのある言葉と、忘れかけていた素朴なハートである。彼のデビュー曲「赤色エレジー」が、発売日にはほとんど売り切れになったことは喜ばしい。