ミュージック・マガジン1987年4月号(¥400)
ミニ・レヴュー あがた森魚1987年2月10日FM東京ホール(菅岳彦)...そして、あがたの登場となるわけだが、床につきそうな長い燕尾服で、颯爽というのがピッタリ、堂々の主役の顔になりきっている。レコードでも十分伝わってきたはずなのだが、彼のヴォーカルは、息継ぎのひとつひとつも歌の一部みたいな気合いの入ったもの。タンゴって音楽は、たとえばピアノの刻みだけとっても、ものすごい烈しさのようなものを隠し持ってるんだなあと、前にFMの特集番組を聴いてた時に思っていたもので、「そうか、彼はこの激しさをタンゴから吸収したんだ」と一人納得してしまった...