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ニューミュージックマガジン1976年3月号


●「今月のレコード」
あがた森「日本少年」(中村とうよう)  レビュー担当者は中村とうよう。採点は82点なのでまあ平均点というところ。アルバム自体の出来はそれなりに評価してくれているようだが、あがた森魚の懐古趣味や軍国主義的なものにロマンを求めてるということに関して徹底的に毛嫌いしている。戦争を体験している中村とうようとしては当然の感覚。
 このレビューの中で中村とうようは、
「つまりこのアルバムの本質を言い当てようなら、自分のボーカルのヘタクソさを逆に魅力であるかのように見せかける仕掛けを考案するのが得意なもりを少年が、腕っこきの仕掛け師の助けをかりて作り出した、一段と凝ったノゾキからくりなのだ。」
しかしこの文章だけ抜き取ってみると、あがた森魚に対して最大の賛辞を贈ってるように読めない事もない。

鈴木慶一とムーンライダーズ「火の玉ボーイ」(矢吹申彦)
 若さを盾に、旅に出て、行き交う人たち、通り過ぎる風景を、歌にしてきた人達は多くいたけど、街に沈んで、夢の散歩を続けてきた人達もいた事も忘れてはならない。あがた森魚もそうだったし、この鈴木慶一もそうだった。そして、あがたには評価されるアルバムがあったが、なぜか鈴木慶一のアルバムは密かに密かに沈んでいた...

...そして何よりも、鈴木慶一自身の趣味に徹して作られたアルバムなのに、決して溺れていない所が良い。この計算こそ鈴木自身の覚めた凄さでもある。そして、この計算を活かせる背景には、あがた森魚、大瀧詠一、細野晴臣、加藤和彦等と共に漂ってきた、日本のロックの時間の経過があった事も見逃せない...

●「今月のグッド・デザイン」
 こちらは矢吹申彦が担当。かなり好意的な文章で、鈴木翁二のジャケットデザインに対して「危険なノスタルジィーは、ステキ」だそうです。この人「今月のレコード」で鈴木慶一&ムーンライダーズ「火の玉ボーイ」を94点と高評価してるので、この人がレビューをやったら評価は随分違ったものになったでしょう。
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