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あがた森魚「獲物の分け前」(白水社 ¥1992.11.28初版)

付録冊子/藤本由紀夫「20世紀少年の未来」
「乗物図鑑」制作時のエピソード、70年代〜80年代にかけての、あがた森魚の音楽表現の変遷などが語られている。
一.乗物図鑑
...日は無駄に過ぎるばかりで、何一つ形にならず、また処遇に対する不満から雰囲気は最悪の状況をむかえたある日、心の中では一番怒りをためていたであろう彼が「怒っているときは歌えないんだ」と自分に言い聞かせるようにつぶやいた一言は、彼の「うたうこと」に対する誠実さと、表現者の持つ独特の迫力を感じさせた...
二.二○世紀少年読本
...そして、その後ヴァージンVSというユニットを結成することにより、自分自身を「A児」という「彼」として第三人称化してしまった。
「ノスタルジー」に対するベクトルも変化した。それまでの、彼の生きる現在を規準として過去を見つめる姿勢は、ここでも紙を折り返すように見事にひっくり返し、未来の時点から現在という過去を振り返るという、まるでクラインの壺のような四次元的な技を生み出した...
三.菫礼礼少年主義宣言
 あがた森魚の文章や発言や歌詞や歌い方にはいつも「相反するもの」が同居している。
 星というテーマでは共通していても、表現はまるで異なると思われる稲垣足穂と宮沢賢治を一緒にしてみたり、少年紳士的なストイックな世界を賛美する傍ら、人間的な愛憎の世界を弁護する。そしてステージでは、物静かに書かれた詞を凶暴に歌い、ロジカルに語られる歌には奇妙な嬌声やナンセンスな叫びを入れると、言ったように彼は自分の作り上げる世界をたえず自分で裏切り続けている ...
あがた森魚「獲物の分け前」(白水社 ¥1992.11.28初版)
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