朝日新聞2010年1月7日朝刊(福島県版)
石原信一 恋する会津 第28回「あがたくんと布団を並べた、正月の夜」...今はミュージシャンが映画を制作するのはめずらしい事でもなくなったが、当時は前例のない事だった。人づきあいがあまり上手ではない彼は、スタッフ集めの段階から頭を抱えた。そんな頭を雪で冷やせばいいだろうと、私の実家の正月に誘ったのだ...建てつけの悪い雨戸から時折粉雪が舞い込んだが「これからの時代を俺たちは何をして生きていくのか」などと、熱病に浮かされたように話す若者にはちょうどよかった...