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美術手帖1987年3月号(美術出版社)

「いきなり、タンゴーーー高橋正人+あがた森魚」(桜井圭介)
...かつて70年代に「アナクロ」といわれつつも不朽の名作「ああ無情」を残した永遠の少年あがた森魚も昨年からバンドネオン奏者池田光夫と組んで活動していたが、「バンドネオンの豹」というタンゴを主題にすえたアルバムを完成させた。E・ギターやドラムスを使ったロック色の強いもの(その影にはバンドネオンやヴァイオリンがいる)、例のチリチリモコモコしたSP盤風ミキシングによる正調、コンピュータ・ミュージックによるタンゴ、とさまざまなアプローチで「タンゴ」する訳だが、僕はこれを「非常に残念な」失敗作と言おう。まず曲の完成度が低い。これは特にアレンジの責任であろう...

...唯一タンゴの名曲「ウノ」(M・モレス作曲)にあがたが勝手に詞をつけた「誰が悲しみのバンドネオン」は一聴に値する。上野耕路のきめ細やかな極めて上質のスコアによって技巧の十分に光るバッキングとその上に乗ったあがたの歌いっぷり、そして詞の素晴らしさによって完全にあがた森魚の世界を出し切っている。泣かせます...
美術手帖1987年3月号(美術出版社)








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