「地球の音を聴く　ワールド・ミュージックCDカタログ」（TBSブリタニカ ¥2,500 1992年8月11日初版）

エッセイ「安らぎのひととき、コーランに気持ちを寛がせながらチャイをすすった」
1989年に旅行したアジア・アフリカの思い出を語るエッセイ。

...そのユーラシア横断の道すがら、全く自然に僕の体に沁み入ってきたのが、イスラム圏の町々で朝な夕なに聞こえてきたコーランの響きだ。「法よりコーラン」が実権を持つそれらの国々では、それは決して音楽ではなく唱される祝詞そのものに他ならない。　だが一旅人であるこちらは、コーランの響きとしてのみ聴覚から感知せざるを得ない。それは、街々のたたずまいともあいまって、まさにエキゾチックであり、同時に心を和ませるものであった...