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スタジオボイス 1986年10月号(流行通信 ¥380)

Tea Party-Lecture 11「『少年性』が可能にする未来」

1986年7月25日有楽町西武で開催された講演会内容から起こしたもの。

〜少年性へのヒント 画家、ニコ・ピロスマニ〜
 僕は音楽に対して純粋でないところがあるんです。音楽を手段としつつ音楽そのものを追求していない、今までのアルバムを聴いていただくと、わかる人にはわかってしまう構造ですが、一番大きなて今は子供の世界、少年たちの世界なんです...

〜少年の純粋性のために見据えるべき両極〜
...たぶん、ここにネモ船長がいたら、おしゃれでインテリで何でも知ってる鼻持ちならない気取ったおじさんでしかないんじゃないかと思うんですが。ただ彼にとっては自分の持っている美意識が抜き差しならない重大問題であって、密室に閉じこもってそれを純化しようとした、それが「海底二万マイル」だったと思うし、ジュール・ベルヌだったと思うんです...

〜少年時代の憧れ カバヤ文庫〜
 小学校2年の時に「海底二万マイル」を観たんです。僕の担任の佐藤敬子先生が"今度こんな映画が来ますよ"ってプレスシートを教室にもってきてみせてくれた。ノーチラス号の黄色い頭、ギザギザの部分が海の中からザブーンとでてきてる写真が載っているわけですよ...

...カバヤ製菓っていう、今でいえばグリコみたいな会社があって、必ずカバヤキャラメルにはおまけがついているんですよ。カバの形をした宣伝カーが移動図書館になっていて、本とゲーム、ジグゾーパズルや知恵の輪を積んでくるですよ。「カバが来ましたよ」とスピーカーで呼ぶと町中の子供が集まってくる...

〜少年的表現者達の世紀末的アプローチ〜
「山縣良江の『聖なる産声』というのは産婆をやっている私の母が書いた本ですが、人間の生命そのものに非常に畏敬の念を持っているんです。それが自分の思想の土台としてあるんですね。これから産婆さんで子供を産む人はますます少なくなるわけで、うちの母の方が不自然というか、現実でなくなってくる。母は今、有機農耕をやってたりしてて。その母の生んだ僕が、生みたての生卵が、食べられられない。知人で山の中で生活している人がいてね、「卵とってきて」と言われるんですよ。小屋に入るだけで生命のエネルギーを感じる...

〜少年性を持つ女性出現 そして、今後〜
リアルタイムに、女性の中で今後一つのか大きな役割を果たしてくれると期待しているのが、フュー〔1960年生まれ 日本のニコともいわれるミュージシャン〕です。デビューして、一部に熱狂的なファンを持ってたんですが、しばらく姿をかくしてて、この間、久しぶりに東京でコンサートをしてた。フューは男と女が平等だということをとってもよくわかってて、それを誰にも言わず自分自身で実行し、なおかつうまくいっている数少ない人だと、彼女の歌を聴いているとすごく伝わってくるんですね...
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