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文學界2017年8月号(文藝春秋社 ¥970(税込))

エッセイ「タルホとディランと吉永小百合」(特集「稲垣足穂・澁澤龍彦・深沢七郎」)
...初めて稲垣足穂(イナガキタルホ)という名前を耳にしたのは1965年、ボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」を初めて聞いた高校二年生16歳の夏、函館にてだった。同級生の村上君が休み時間に「最近はSFのショートショートというのが流行りで、星新一や小松左京とかいう作家の本が森文化堂に並んでいる。それから図書館には三島由紀夫とか稲垣足穂というのもある」と喋っていた。僕は耳ざとくそれらの名前を聞きかじったが、知っていたのは三島由紀夫ぐらいだった。
 そして、初めて足穂の作品を目に通したのは、新潮文庫の「一千一秒物語」をSFショートショートの先駆けという印象で読んで、あまりのシュールさとエキゾチックさに目眩をおぼえた...
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